えねぱそツアーレポート

2013年10月8日(火)
「えねぱそ」カーボンオフセット エコツアー第2回/北関東編 レポート

リサイクルした廃食油を燃料として走るバスで行く、自然エネルギー施設見学ツアーの様子をお届けします!

今回の目的地は、高崎市総合卸売市場(群馬県)の太陽光発電施設と、足利工業大学(栃木県)の“自然エネルギーのテーマパーク”「風と光の広場」です。

集合は新宿駅西口に8時15分。
遠路の人にはちょっと早めでしたが、出発時間の8時30分までには無事全員集まり、定刻通りにバスは出発しました。

天気は上々。
参加者は18名のところ、残念ながら当日キャンセルがあり16名になりました。
バスは家庭で使用された「天ぷら油」など廃食油を回収・リサイクルした燃料で走る、通称「天ぷらバス」です。

天ぷらバス

参加者は、ソーラークッキングの達人、映画監督、NGOグリーンピースのインターン、伊豆から来られた方、環境配慮型美容師さん、世田谷の有力市民運動家など多士済々。

行きの車中では、「えねぱそぱぱ」の竹村さんによるミニセミナーを実施しました。
日本のエネルギー事情や将来の課題を踏まえ、個人向けグリーン電力証書「えねぱそ」の意義を紙芝居形式でわかりやすく解説。
参加者からは「全国にある自然エネルギーの発電所の電気は直接使えないのか」など質問が相次ぎました。
そういうわけで退屈する間もなく、また幸い渋滞もなく、高崎市場に到着しました。

竹村セミナー

見学前に、まずは高崎市場の事業部長、米桝秀二さんにこれまでの経緯などの説明を受けました。

この地は日照時間が長く、太陽光発電に向いており、広大な屋根を利用して2005年にNEDOの半額助成も受けて100kWで発電を開始したとのことです。
パワーコンディショナーは10基を並列につなぎ、変換効率は多少悪いものの、故障しても全体に与える影響を少なくできるメリットがあったようです。

その後第2期事業として2008年に100kWを追加、さらに現在、得意先のJAが主体となって650kWを増設準備中で、 完成すれば「メガ」ソーラーには少し及ばないものの、札幌市場の350kW施設を抜き、卸売市場にあるソーラーとしては日本一になるそうです。

高崎市総合卸売市場

ただ2005年の太陽光設備設置に到るまでには一方ならぬご苦労があったようです。
すでに設備設置を計画していた他の卸売市場の担当者から「太陽光発電は自然にやさしいかもしれないが、採算はまったくあわないよ」と言われたり、 業者に高崎市場での太陽光設備の見積もりを依頼したら怪訝な顔をされたりとか。

それもそのはず、当時の見積もりでは100kWの設備でなんと1億5千万円、高崎市場のような第3セクター企業ではとても採算に合わない金額だったとのことです。
その大きな山をどうやって乗り越えたのか? そのあたりの事情は、「高崎市場物語」として「えねぱそ」サイトに別ページを設けて特集したいと思います。

米桝秀二さんの説明

一通りお話をうかがった後、屋根に登って実地見学に。
大きな溝が並ぶ屋根はかなりの広さがあり、現在ソーラーパネルが付いているのは、その一部に過ぎません。
しばらく行くとズラリとパネルが平らに並んでいました。
変換効率では通常、太陽に対して直角になるように傾斜をつけた方がいいのですが、ここはコストを抑えたラックレスシステムで、直接屋根にパネルを取り付けています。

パネルのおかげで直射日光による影響が減り、下の室内温度は以前より下がったそうです。
これも省エネになっています。
高崎市場のように有効利用できる屋根は全国にまだまだたくさんあるはずです。

屋根の上

その後、昼食は市場内のお寿司屋さんで美味しくいただき、一路、足利工業大学へ。
工業大学ではまず総合研究センターの教室で、一通り施設の概要をうかがいました。

1995年に公開型実験施設として「風と光の広場」はオープンし、いわゆる「ゆとり教育」が学校に導入されてからは見学者が増え、年間6,000人ほどが来場しているそうです。
まずは、センターそばにあるトリプル・ハイブリッド発電システムを見学。
40kWの風力・20kWの太陽光・20kWのバイオマスの3つを組み合わせたもので、相互補完効果を高め、電力を安定供給できる実証実験として行っています。

トリプル・ハイブリッド発電システム

次に見学したのは、風車とソーラークッカーなどのミニミニ博物館。
世界のさまざまなソーラークッカーを集めた部屋には、みんな興味津々でした。
風車の部屋では、さまざまな風力発電だけでなく、学長の牛山泉先生が集められた世界の風車グッズ・コレクションも陳列されていました。

ソーラークッカー

風車グッズコレクション

個人的に興味深かったのは、おもちゃのような「もぐら」防止用風車。回転時に発生する音と振動でもぐらを畑に近寄らせなくするというものです。
「モグラーズ」といい、なんでも西日本を中心に5万台も使われているとか。
調べてみたら、実は科学技術庁長官賞受賞というスグレモノ。
これまで農協で扱っていたようですが、なんと楽天市場やアマゾンでも2,000円未満で入手できるようです(ちなみに、ソーラー式「もぐら」退治機も販売されていることを知り再度ビックリ)。
都会では最近「もぐら」は見かけませんが。。。(笑)

もぐら防止用風車

最後に屋外展示場を見学しました。
まずは林立する風車のブレード(羽根)がお出迎え。
その多くはガラス繊維強化プラスチックでできています。

近くで見ると、改めてその大きさを実感しました。そして、奥には、さまざまな形の風力・太陽光ハイブリッド公園灯が並んでいました。その数約20本。
なかには1枚羽根の風車まであり壮観でした。
風車は、効率的には横軸型の方が優れているようですが、縦軸型のものはデザイン的に楽しいものが多く、モニュメントには向いていると思います。

屋外展示場

帰路車中では映画『シェーナウの想い』を鑑賞しました。
小さいテレビモニター画面でしたが、「実は帰りのバスは寝るつもりだったけど、いつの間にか内容に引き込まれて最後まで観てしまいました。
気付きの箇所がたくさんあって、1日のまとめになりました」と感想を寄せてくださった方もいました。

日帰りの限られた時間でしたが、参加者それぞれに気づきが得られ、充実したツアーになりました。

第1回ツアーレポートはこちら!(別サイトが開きます)